
着物と帯の格合わせ早見表:失敗しないフォーマルコーデの基本
着物を着る際、最も大切でありながら、最も難しいのが「格(かく)のルール」です。
「素敵な着物と帯だけど、この組み合わせで結婚式に行っても大丈夫?」「付下げにこの帯は派手すぎない?」と不安になったことはありませんか?
着物と帯には、それぞれ「格」が存在し、そのバランスが崩れると、どんなに高価な品でも「ちぐはぐ」な印象を与えてしまいます。
本記事では、初心者から中級者まで必見の「格合わせ早見表」とともに、失敗しないフォーマルコーディネートの基本を分かりやすく解説します。
1. 【一目でわかる】着物と帯の格合わせ早見表

まずは、着物と帯の相性を一覧表で確認しましょう。この組み合わせを押さえておけば、公の場でも恥をかくことはありません。
| 着物の種類 | 格の高さ | おすすめの帯 | 主な着用シーン |
| 黒留袖・色留袖 | 第一礼装(最高格) | 綴織・唐織の「袋帯」 | 結婚式(親族)、叙勲 |
| 振袖 | 第一礼装(未婚) | 華やかな「袋帯」 | 成人式、結婚式、祝賀会 |
| 訪問着 | 準礼装 | 金銀糸の入った「袋帯」 | 結婚式(友人)、パーティー、七五三 |
| 付下げ・色無地 | 準礼装〜略礼装 | 織の「袋帯」・格式高い「名古屋帯」 | お茶会、入学・卒業式、お宮参り |
| 江戸小紋(三役) | 略礼装 | 織の「名古屋帯」・「袋帯」 | セミフォーマル、観劇 |
| 小紋・紬 | 普段着・洒落着 | 「名古屋帯」・「半幅帯」 | お稽古、ランチ、ショッピング |
2. 帯の種類と「格」の定義

着物だけでなく、帯にも明確な格があります。形(仕立て方)と織り方で見分けましょう。
袋帯(ふくろおび)
- 格: 高い(フォーマル用)
- 特徴: 表と裏を袋状に縫い合わせた、長さ約4m20cm以上の帯。
- 見分け方: 金糸や銀糸がふんだんに使われているものは礼装用、幾何学模様や落ち着いた色のものは洒落用(セミフォーマル)となります。
名古屋帯(なごやおび)
- 格: 中〜低(カジュアル・準礼装用)
- 特徴: 胴に巻く部分が半分に折って縫われている、扱いやすい帯。
- 見分け方: 織りの名古屋帯で、金銀糸が入った格調高い柄(有職文様など)であれば、色無地や付下げに合わせて準礼装として使えます。
半幅帯(はんはばおび)
- 格: 低(カジュアル用)
- 特徴: 幅が半分(約15cm)の帯。浴衣や普段着の紬・小紋に合わせます。フォーマルな場には適しません。
3. シーン別・失敗しないコーディネート例

「格」を意識した、具体的なお悩み解決コーデをご紹介します。
結婚式に「訪問着」で出席する場合
- 着物: 華やかな絵羽模様の訪問着。
- 帯: 「金地の袋帯」が王道です。
- ポイント: 帯揚げや帯締めも、金糸が入った白地や淡い色を選び、全体に「品格と輝き」を持たせます。
お子様の入学式・卒業式に「色無地」を着る場合
- 着物: 一つ紋の入った色無地。
- 帯: 「唐織(からおり)の袋帯」または「格の高い名古屋帯」。
- ポイント: 主役はお子様なので、控えめながらもきちんとした印象を与える「織りの帯」がベスト。派手すぎる金ピカの帯は避けましょう。
格式高いお茶会に参加する場合
- 着物: 付下げ、または江戸小紋。
- 帯: 「名物裂(めいぶつぎれ)の名古屋帯」。
- ポイント: お茶席では「控えめな美しさ」が尊ばれます。重厚すぎる袋帯よりも、品格のある織りの名古屋帯が好まれるケースが多いです。
4. 迷った時の「格上げ・格下げ」テクニック
着物と帯の格が少しズレていると感じた時、小物の力で調整することが可能です。
- 格を上げたい時:
白地に金糸の刺繍が入った「半襟」を使い、帯締めを太めの平打ち(金糸入り)にします。 - 格を下げたい(カジュアルダウン)時:
あえて金糸のない「洒落袋帯」を合わせたり、帯揚げに少し色味のあるものを持ってきて、遊び心を演出します。
注意ポイント!
「紬(つむぎ)」の着物は、どんなに高価(大島紬や結城紬など)であっても、基本的には「普段着」扱いです。格式高い結婚式に紬を着用するのは避けましょう(※身内のみのカジュアルなパーティーならOKな場合もあります)。
5. 着物と帯の格合わせ早見表まとめ
「格合わせ」は、相手への敬意を表す日本の素晴らしいマナーです。
- まずは着物の格(第一礼装・準礼装・普段着)を確認する。
- それに合う帯の種類(袋帯・名古屋帯)を選ぶ。
- 小物の色使いで微調整する。
この3ステップを守れば、コーディネートで失敗することはありません。
最初は早見表をチェックしながら、少しずつ自分らしい組み合わせを楽しんでみてくださいね。
(記事制作者:廣田 )
