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冠婚葬祭別!帯結びのマナーとおすすめスタイル|プロが教える失敗しない着こなし術

冠婚葬祭別!帯結びのマナーとおすすめスタイル|プロが教える失敗しない着こなし術

着物を着る際、最も頭を悩ませるのが「帯結び」のマナーではないでしょうか。

「この結び方は結婚式にふさわしいの?」「お悔やみの席でNGな形は?」など、着物初心者から中級者まで、帯に関する疑問は尽きません。

帯結びは単なるファッションではなく、その場の格(格式)や、相手への敬意を表す重要なメッセージとなります。

この記事では、プロの視点から冠婚葬祭別の帯結びマナーと、周囲と差がつくおすすめスタイルを徹底解説します。


1. 帯結びの基本:格を決めるのは「形」と「長さ」

具体的なシーン別解説の前に、まずは帯結びの基本を押さえておきましょう。帯結びの格は、主に以下の2つの要素で決まります。

一重太鼓と二重太鼓の違い

  • 二重太鼓(にじゅうだいこ): 袋帯を用い、お太鼓の部分を二重に重ねる結び方。「喜びが重なるように」という願いが込められており、祝儀(結婚式、式典、お祝い事)の正装として用いられます。
  • 一重太鼓(ひとえだいこ): 名古屋帯を用い、一重で結ぶ形。主にセミフォーマルからカジュアル、または不祝儀(法事・葬儀)で「悲しみが重ならないように」という意味を込めて用いられます。

帯の種類と格

帯の種類適したシーン結び方の代表例
丸帯・袋帯礼装・正装(結婚式、成人式)二重太鼓、振袖の創作結び
名古屋帯準礼装・普段着(お茶会、観劇)一重太鼓、銀座結び(粋)
半幅帯カジュアル(浴衣、小紋)文庫結び、貝の口

2. 【慶事・祝儀】結婚式・披露宴の帯結びマナー

結婚式は最も格式が求められる場面です。立場(親族・友人)によって使い分けるのが「通」の振る舞いです。

親族として出席する場合(黒留袖・色留袖)

親族は「ホスト側」であるため、最も格の高い「二重太鼓」が鉄則です。

  • ポイント: お太鼓の大きさは、自分の背中の幅に合わせ、垂れの長さは人差し指一本分程度にするのが美しい黄金比です。
  • 注意点: 創作結び(華やかなアレンジ)は、親族の場合は避けたほうが無難です。控えめで格調高い着こなしが、品格を際立たせます。

友人・同僚として出席する場合(訪問着・付け下げ)

友人として華を添える場合は、基本の二重太鼓に少しだけアレンジを加えるのも素敵です。

  • おすすめ:末広結び(扇子結び)
    お太鼓の山にひだを取り、扇のように広げる結び方です。おめでたい席にふさわしく、若々しく華やかな印象を与えます。
  • おすすめ:飾り紐の活用
    帯締めを少し凝った結び方にしたり、パール付きの帯留めを合わせるだけで、基本の二重太鼓がぐっとパーティー仕様になります。

3. 【慶事・式典】入学式・卒業式・七五三の帯結び

お子様が主役の行事では、「控えめな華やかさ」がキーワードです。

母親としての装い

お受験や格式高い学校の式典では、奇をてらわない「正統派の二重太鼓」がベスト。

  • 色の選び方: 帯は着物と同系色か、金銀が控えめなものを選ぶと、優しく上品な母親像を演出できます。
  • 素材感: 唐織(からおり)などの立体感のある袋帯を選ぶと、写真映えも良く、高級感が漂います。

卒業式なら少し「キリリ」と

入学式が「春の喜び」なら、卒業式は「感謝と別れ」。少し落ち着いた色調の帯を選び、お太鼓の山を少し高めに作ると、知的な印象になります。


4. 【弔事・不祝儀】葬儀・法事の帯結びマナー

お悔やみの席では、慶事とは真逆のルールが適用されます。ここを間違えると非常に目立つため、細心の注意が必要です。

基本は「一重太鼓」

「不幸が重ならないように」との意味を込め、必ず一重太鼓で結びます。

  • 帯の種類: 黒喪帯(くろもたい)または、法事用の色喪帯。
  • 結び方のコツ: お太鼓の山を低めに、大きさも控えめに作ります。全体的に「沈んだ」印象にすることが、故人への哀悼の意となります。

垂れの長さに注意

慶事では垂れを少し長めに取ることもありますが、弔事では短めにするのが一般的です。また、帯締め・帯揚げもすべて黒(または法事用の地味な色)で統一し、房が下を向くように結ぶのがマナーです。


5. 【カジュアル】観劇・食事会・パーティーの遊び心

プライベートなシーンでは、マナーの縛りから解放され、自分らしいスタイルを楽しみましょう!

銀座結び(角出し風)

名古屋帯で結ぶ「銀座結び」は、お太鼓の下にふっくらとした角(つの)が出る小粋な結び方です。

  • メリット: お太鼓よりもこなれ感があり、アンティーク着物や紬(つむぎ)との相性が抜群です。
  • おすすめシーン: 歌舞伎鑑賞、友人とのランチ、美術館巡り。

半幅帯のアレンジ(パタパタ結び)

最近のトレンドは、半幅帯を使った「パタパタ結び」です。

  • 特徴: 三重仮紐を使い、帯の端をパタパタと折り重ねるだけで、驚くほどボリュームのある華やかな後ろ姿になります。
  • メリット: 結び目が背中に密着しないため、長時間の移動(車や新幹線)でも背もたれに寄りかかりやすく、形が崩れにくいのが魅力です。

6. 帯結びを美しく仕上げるプロの秘訣

どんなに高価な帯を締めても、形が崩れていては台無しです。美しい帯結びをキープするための3つのポイントをご紹介します。

  1. 帯板の使い分け: フォーマルな袋帯には、しっかりとした「長めの帯板」を。カジュアルな半幅帯には、柔らかい「メッシュ帯板」を。前帯にシワが寄らないだけで、清潔感が格段にアップします。
  2. 帯枕の高さ:
    若々しく見せたいときは高めに、落ち着いた印象にしたいときは低めにセットします。
  3. お太鼓の「角」:
    お太鼓の両端(角)がピンと立っていると、プロのような仕上がりになります。手先を出す際、緩まないようにしっかりと引き締めるのがコツです。

7. 帯結びのマナーとおすすめスタイルまとめ

着物の帯結びには、日本人が大切にしてきた「相手を思いやる心」が形となって表れています。

  • 慶事は、喜びを重ねる「二重太鼓」で華やかに。
  • 弔事は、悲しみを繰り返さない「一重太鼓」で慎ましやかに。
  • 日常は、自分らしさを表現する「自由なアレンジ」で粋に。

基本のマナーさえ押さえておけば、あとは自信を持って着こなすだけです。次の行事では、ぜひシーンに合わせた最適な帯結びに挑戦してみてくださいね。

(記事制作者:廣田 )

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